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楽な姿勢で。

こう書くと、あまり好ましく感じない人もいると思うけれど、
電車でよく見かける、口を開けて寝ている人。
その表情は、その人の死顔にとてもよく似ている。

夫が、家内が、父が、母が、「亡くなりました」と、
家族の方が私たちに電話を入れてくださったところから、
私たちの仕事が始まる。

お迎えに行けるスタッフに電話を入れて、
霊安室の準備をしてすこし待つ。

お迎えに行ったスタッフが霊安室にご安置して、
私もふと故人様の顔を見る。
ぽっかりと口が開いていたりする。
その表情は、電車でぽっかりと口を開けて寝ている人の顔にとてもよく似ている。
両者ともに、顔の力がきれいに抜けているので、似ているなと思う。

ぴんとまっすぐな故人様は、珍しい。
ひざが曲がっていたり、背中が丸まったり、
斜めになったり、口が半開きだったりする方々はとても多い。
というのは、
人は亡くなると、その人の一番ラクだった姿勢になっていくから。
ぴんとまっすぐで朝まで眠る人が少ないように、
ぴんとまっすぐで固くなっていく方も珍しいのだ。

そんなわけなので、
湯灌の前の段階で、
背中が丸まったり、斜めになったり、
口が開いていたりするのを家族が気にしていると、
「一番ラクだった姿勢に、なっていくんです。」
とか
「いつもこの姿勢でお休みになっていたのではないですか?」
とか訊くと
「そうですね…いつもこの向きに寝ていました」
と返答があることが多い。

式の前に湯灌を行い、
口は閉じられ、体はまっすぐになり、薄く化粧をして棺に入る。
それまでのわずかな時間、
自然とラクな姿勢になっていく故人様たちに、
「お疲れ様でした」
「おやすみなさい」
とそっと声を掛けてから退勤する日々。

# by tabisuke_yk | 2011-09-02 23:55 | 日々のこと

生まれてきた理由

占いをしている人にたまに会う。
5人中3人くらいの割合で
「…苦労してますね」と言われる。

全く苦労している気がないし、
自分では平凡な人生だと思っているので、
自分の職歴をこれこれこうで、と話すと
「ひえー」とか
「うわわわわ」とか
「えっホントですか、面白いなあ」とか言われる。

私は「面白いなあ」をホメ言葉として受け取っている。
あちらにしてみれば、
私はお客さんなので、
サービストークで持ち上げてくれているのだとも思っている。
面と向かって
「なにその人生」
「ばっかみたい、ふん」
なんてことを言う占いの人にはまだ会ったことはない。
商売だから
「アナタの人生って面白くてステキ」
と言ってくれているのだろうと思っている。


自分では平凡だと思っていることが、
何故他人には奇異に写るのか。
理由はなんとなくわかる。
たぶん、私の人生には一貫性が無いのだと思う。

ある大会で日本一になったり、
全く関係の無い外国に行ったり、
伝統芸能の下働きをしたり、
仕事で日本横断したり、
おくりびとになったり、
ウェイトレスになったりなどなどしているので、
あれこれやっていることが、
「苦労してますね」に見えるのかもしれない。

ちなみに、私の母は私と真逆で、
小さいころからピアノが好きで、そのまま大きくなってピアノの先生になった人である。

私は、小さいころは漫画家とか、助産師とか、葬儀屋とか、NGOの人になりたかった。
ここですでに一貫性がない。


一貫性が無いのを直そうとはしないのか。
しない。
なぜか。

ひとつだけ、
確信を持てることがあるからだ。

いつだったか、本の隙間から私の生後1ヶ月目くらいの写真が出てきた。
ひらり、とそれは私の手に収まって、
不思議なことだが私はその瞬間に思い出した。

「私は、この世界に遊びに来た」

遊ぶために、生まれてきた。
嬉しいこと、
怒ること、
悲しいこと、
楽しいこと、
美しいもの、
きれいなもの、
きたないもの、
そんなものをたくさん見たくて、生まれてきたんだ。

これは、「思い出した」と言うほうがしっくりくる。
この世界の役に立つんだ、とかそんな崇高な理由は全く無くて、
ただ純粋に「面白そうだったから」降りてきたことを思い出した。

私の人生に一貫性が無いのは、そのためかなあ。
とも思っているし、
一貫性がなくて、いろいろ体験しているのはよいことだ、
とも思っている自分がいるので、
この「生まれてきた理由」はわりと当たってるんじゃないかとも思う。



なので、この話に一貫性が無いのもそのためだと思っていただきたい。

# by tabisuke_yk | 2011-08-26 18:51 | 日々のこと

感謝を

こういうことがあるものなのか。
と思ったことがあったので、書き留めておく。

職場に、ものすごく嫌な人がいた。
職場の9割の人から、
「あの人はちょっとね…」と
眉をひそめていわれるくらいのひとだったので、
ほかの人から見ても、筋金入りの嫌な人だったんだと思う。

私もその人のことが嫌で嫌で仕方が無かったのだけれど、
嫌だ嫌だといい続けてもどうしようもない気がしたので、
とりあえず
「世の中には貴方のような人がいるということが勉強になりました。」
「こんな嫌な人にはなるな、という反面教師だと受け取りました。」
とかなんとか、その人が嫌であることを認めて、
「ありがとう」
とか感謝してたら、感謝し始めた3日目あたりに異動の辞令が出て、
その人とは顔を合わせなくてよくなった。

そういえば、
感謝し始めるのと同時に、地元の氏神様にもご挨拶に行って、
「これからますます努力いたしますので、道を開いてください」
とだけお祈りして帰ったのだった。
そのお祈りの3日目での辞令であったので、
神様ってすごいなあとか思った。

もちろん、次の休みに「ありがとうございました」
と御礼の報告に行った。
その御礼の報告に行ったその日、
私が駅のホームに下りたと同時に電車も到着し、
電車の席が不思議に空き、
天然石がほしいなあとか思っていたらその店の一コーナーで天然石展示会をやっていたり、
しかもそれが安かったり、
急な雨から守ってくれたり、
帰り道もまた電車がちょうど到着したり、
至れり尽くせりで半日を過ごさせていただいた。

努力して努力して、本当にどうしようもなく無くなったときは、
神様にお願いをする。
そうすると不思議と道を開いてくださる。
ただ、お願いだけするのはだめで、
努力して努力して…の経過があったほうが、うまくいく。
そんな、あったかく見守ってくれる神様が、
近くにいてくださっているので、本当にありがたく感じている。
ありがとうございます、と心から感謝する。

# by tabisuke_yk | 2011-08-25 22:26 | 日々のこと

発言しなくなったことで

この3年ほどの間、言いたいことを我慢してきたのではないかと思い当たった。

5年前はブログやホームページを更新していた気がする。
一日に何か文章をひとつ書くことで自分の体の中がすっきりし、
さわやかな気分で翌日に向かうことができた。

だけれども、私は何のきっかけだったか、次第にだったか、
発言することをやめてしまった。

それと同時に、精神的につらくなった。
当時はそれがつらいということに気づかず、
淡々と過ごしていたのだけれども、
振り返ってみると「よく堪えていたなあ」と頭をなでてやりたくなる。

つらかったときの症状としては、
飲食店に勤めていたときに、手の湿疹となって現れたり、
モップがけをしながら
「助けて助けて」
「はやくおわれはやくおわれ」
と唱えていたり、
朝シャワーを浴びながら
「死にたい…死にたい…」
とつぶやいていたのだから困った。
加えて、何かしらの形で改善に励まない自分にも困った。


さて、私はあまり人に愚痴を言うことが無い。
実の親からも、彼氏からも、「愚痴らないね」と言われたということは、
私は本当に愚痴らない生き物として生まれたのだなと思う。
もちろん、自分の中ではつらいとか、苦しいとか思っている。
思っているけれど、口に出さないのだ。

なぜ、つらいことや苦しいことを口にださないのか。
出せない、のかもしれない。
口にいったん出してしまうと、
その「つらいことや苦しいこと」が実際にあると認めてしまうからだと思う。
実際にあると認めてしまうと、
黒いヘドロのプールの中に飛び込んだように、
そこから身動きが取れなくなってしまう自分が予想できるからだ。

わざと怒ったり、愚痴ったりもしている。
周りの人に合わせるために。

だけれども、もうそれはやめようとおもう。
今私には「わざと愚痴るクセ」が付いてしまっている。
自分を貶める必要など、どこにもないのに。

# by tabisuke_yk | 2011-08-02 22:58 | 日々のこと

天然石

生命力不足であったため、
とりあえずパワーストーンでもつけてみることにした。

よく雑誌の後ろのほうにある、
「このブレスレットのおかげでロト6当たりました!」とか
「このお守りのおかげで100人から告白されました!」とか
「この壷のおかげで世界征服できました!」とか
そういうガツガツしたあやしいやつじゃなくて、
(興味はあるけど)
スピリチュアル、みたいな
かわいい、みたいな
癒し系、みたいな
ふんわーりした、もっと手に取りやすい物はないのかと探したら、
あった。

奇跡を呼ぶパワーストーン ブレスレット「Birth」 (扶桑社ムック)

勢津子 / 扶桑社



Amazonで高評価だったのでそれを信用し、
書店で見つけてほぼ即買いだった。

わくわくしながら家に持って帰り、
どきどきしながら手首につけた。
普段アクセサリーは付けないので、
アジャスターに苦戦しながらもなんとか装着。





かわええ…。

キュンとした。
仕事で忙しすぎてこんな気持ちは忘れていた。

しばらく手首につけてくるくる回ったりしてたのだが、
そのうちに飽きた。
外すかと金具に手を掛けたが、またも苦戦。

普段ブレスレットなんかしないからなあ…と思ったのだが、
それだけの理由ではなくて、なにか違和感がある。
何気なく時計を見ると、
なんと私は付けるのと外すので計30分は有していたのだ。

そんな馬鹿な。

唖然とした私は、手持ち無沙汰な朝の電車の中で再び着脱を試みることにした。
乗車していきなりブレスレットをいじり始めた私を、
目の前のおっさんが何してんのあんた、という目で見ていた。
おっさんの冷ややかな視線にもめげることなく、がんばった私だが、
結論から言えば、私はやはり着脱に30分を有していた。
しかも、簡単に装着できないのでアジャスターをいじりながらイライラしてしまい、
元気になるために購入したパワーストーンが
イライラを助成させる代物になっていることにも私は唖然とした。

ゴムであればいいのに。
と思った。

じゃあ作り変えよう。
と、次の瞬間に思った。
欲しいものは、作ればいいのだ。

仕事が終わって家に帰り、
クラシックを掛けながらリメイクに取り掛かった。

用意したのは、
・ゴム製テグス
・水晶8ミリ玉
・好きな天然石6ミリ玉
以上3種。

天然石を増やしたのは、アジャスターの長さ分を補う石が欲しかったからだ。

まず、ごめん、と謝りつつ、はさみを入れてブレスレットをバラバラにする。
後で余分が出ないように、ゴム製テグスは事前にしっかり伸ばしてから使うのがポイント。
伸ばしたゴム製テグスを石に通していくのだが、
もともとあったプラスチックビーズは本物の水晶に取り替えた。
手首回りに合わせて石の数を調整する。
八の字結びにして、結び目に接着剤をつけて、石の中に入れ込んで、出来上がり☆

非常に装着しやすくなりました。
30分かかっていたものが、1秒で済みます。
アジャスター付けづらい、とお悩みの方、オススメします。

# by tabisuke_yk | 2011-07-10 23:12 | 日々のこと

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